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1991年5月15日(水)
コースタイム 清滝小屋→1:15→両神山→1:40→白井差口
合計歩行時間 2:55   1泊2日の山

翌朝目が覚めると曇っていた。
朝食はさんま蒲焼の缶詰と味噌汁とご飯だ。
ご飯を作りすぎたので、穴に埋めることにした。
T氏は「えーいいの?」と言っていたがかまわず捨てた。
今思えば、環境破壊や生態系破壊につながる
犯罪的行為だったと思う。
その時僕も内心悪いと知りつつも、
地面の栄養になるから…と無理やり自分を正当化して、
軽荷で両神山へと出発した。
産泰尾根に出ると道が急になり、
一汗かくと両神神社に着いた。
おそらく白井差から来た団体が休憩していた。
平日でも登る人がいるのかとびっくりした。
神社の奥からギザギザした両神山の稜線を
見ることができた。
秩父山系の中でも特異な山容であろう。
団体がいなくなって静まり返った両神神社を後にした。
ノゾキ岩への分岐を過ぎるといくつか急な斜面を登る、
帰りにちゃんと降りられるか不安になった。
T氏はそんなこと気にしない
というような感じでスイスイ進む。
梵天尾根からの道が合わさると、
まもなく標高1723.5mの両神山山頂に着いた。
山頂は先ほどの団体が占領していたが
僕等の気配を感じて、動き始めた。
山頂は2,3人しか立っていられないほど狭かったので
僕等もサッサと記念写真を撮って下ることにした。
曇っていたので、景色はあまり良くなかったが
ヤシオツツジが綺麗に咲いていた。
両神神社からは白井差方面へ下る。
木の根っこが複雑に絡み合い独特の世界を作り出していた。
一位ガタワと言われるところで休憩をし、
テント等の荷物を取りに清滝小屋に戻る。
普段は通る人が少ないと思われる道だが新緑が綺麗で
気持ちのいい道だ。
撤収作業を終え、また昨日のように重たい荷物を
背負って歩き始める。
先ほどの一位ガタワまで戻り、白井差のほうへ下る。
途中「昇竜ノ滝」があり、木の間越しに覗く。
昇竜とは上手い名前を付けたものだと感心した。
お腹がすいたので、小広いところで昼食をとった。
作りかたが変わっていたので、間違えて作ってしまい。
スパゲティみたいになってしまった。
「これが両神名物、昇竜ラーメンだ」とごまかして苦笑した。
白井差(しろいさす)の民家を過ぎると
アスファルトの車道となった。
固い地面からの振動がもろに伝わるので、
疲れた足にはかなりつらい。
白井差口バス停に着くと、発車まで2時間もあるので、
誰もいなかった。T氏は時間を潰すのにいい方法を
思いついたらしい。
僕等は裸足になって、川に足を浸す。
二人とも「あー」という喚声をあげ疲れを癒していた。
30分前になると人が集まって来たので、
僕等も並ぶことにする。
よっぽど暇だったのか一人の男性が声をかけて来た。
彼は梵天尾根から降りてきたという。
そんなコースもあったのかと感心した。
両神山は一般的には白井差から登られているようだ。
地図を見ても日向大谷からより早く登ることができ、
日帰りも可能だ。
バスが到着しもうすぐ発車しようというとき、
すごいスピードで軽トラが上から降りてきた。
急ブレーキをかけたので、荷台に乗っている人が
前につんのめった。
話しによると、その人たちはバスに乗り遅れそうなので、
白井差の住民にここまで乗せてもらったそうだ。
こんなほほえましいエピソードがあったのだが、
2000年8月から白井差の住民と環境庁の間で
問題が発生し白井差から登れなくなってしまった
のは非常に残念である。