青春編

第十三話 その後のガイト

登場人物紹介 首都高速用語解説

前回までのあらすじ…。
ガイトは生徒会に立候補し僕は応援演説者に立候補しますが、僕の応援の失敗で票が集まりませんでした。

青春編とは…?
学生時代のことについて書いていきます。

1994年
僕とガイトとの友達関係は卒業後、一時途切れていた。
僕が社会人になり、2年が過ぎた頃アベから電話が入った。
「小さいほうのエンドウ死んだんだってよ〜」
学校にはエンドウが2人いたので、小さいほうと言えば分かるのだ。
中学時代、彼とはそんなに親しく無かったが何度か遊んだことがある。
背が低いのでいじめられていることが多かった。
中学卒業後は空手を習い始め、たくましく成長していたそうだ。
2輪の免許を取って、車と衝突して帰らぬ人となったという。
人間なんてどこでいつ死ぬか分からない。
僕はあの時もそう思ったんだ。まさかこんなことになるなんて…。

僕はこのことをきっかけにガイトに久しぶりに電話をした。
「元気?小さいほうのエンドウ死んじゃったんだってさ〜」
「お!久しぶり〜、エンドウ死んじゃったの?」
「明日告別式なんだけど一緒に行かない?」
「うん、ちょっと考えてみるよ」
一旦電話を切って、ゲームをしていると電話が鳴った。
プルルル…。
ガイトからの電話だった。
「あのさ〜さっきの件だけどよ〜エンドウとはあまり仲良くなかったし、ちょっとめんどくせえなあ」
「ふ〜ん、そうだよね。実は僕もそう思ってたんだ。せっかくだから久しぶりに遊ばないか?」
「いいよ、CDとか持っていくよ」

翌日ガイトはアクリル製のBOXにCDを20枚ほど入れて持ってきた。
プリプリ、BOOWY、野田幹子、小野リサ、ユーミンなど僕は彼の影響で好きになった。「ダビングさせて」というとガイトは嬉しそうにCDを貸してくれた。
ガイトとは月に1度遊んでいたが、会うたびに新しいCDを持ってきて「これを聞いてみな」と勧めてきた。
「仕事は何やってんの?」
「税務署で朝から晩まで働いているよ」
「お前は?」
「俺も似たようなもん、首都高速の下請けさ」
彼の持ってきたCDで受け入れられないものが1つだけあった。
「wink」の「寂しい熱帯魚」を聞いてみなと言われたときはさすがに引いてしまった。
「そのデカイ体でこんなもの勧めるなよ〜」と思った。

その後ガイトは仕事が忙しくなり、遊ばなくなった。
そしてある日1本の電話が入る。
「ガイトくんのお母さんから電話よ」と母が取った。
へ?お母さんから?俺に何の用だろう?
何かあったのかな?
予想は的中した。でもまさかこんなことになるなんて…。

「カズユキが…、カズユキが…」
ガイトのお母さんは、電話の向こうで泣いているようだった。

次回予告
僕は実感できませんでした。生きてるのか死んでいるのか。
今でもどこかで生きていると思っています。
第十四話 告別式