韓国編

第七話 ヤオハンでお買い物

登場人物紹介 首都高速用語解説

前回までのあらすじ…。
居酒屋を改築した僕は、その居酒屋で働くことになりました。
泥棒に入られたり、好きだったむつみさんが自殺未遂したり…。
いろいろなことがありました。
そんな中、店長代理を任された夜に韓国からの留学生、玉ちゃんと仲良くなり好きになってしまいます。何度かデートをして義兄妹の契りをして、恋人になりますが玉ちゃんは居酒屋を辞め、韓国へ妹のお見舞いのために帰ることに…。
そして日本に戻ったら湯河原で生活することになっています。
もう会えないかもしれない?不安な日々を送る僕です。
そして僕は、玉ちゃんの住む湯河原へ行くことになり、そこでは新しい物語が始まろうとしていました。

韓国編とは?
韓国へ旅行に行ったときのお話しです。読んで字の如し…ですね。

2000年4月15日(土)

僕らは、教会を出て玉ちゃんの家のほうへ歩き出した。
かず:「食材を買いたいんだけど、スーパーとかある?」
玉ちゃん:「バカにしないでよ!ヤオハンがあるよ」
かず:「いや、バカにはしてないけど、これだけ静かだとちょっと心配になってきちゃってさ〜」
玉ちゃん:「それがバカにしてるよ」
かず:「ハハハ…、ヤオハンがあるなんてすごいじゃん!」
玉ちゃん:「でしょ〜?ここは都会だよ」
かず:「ん〜!都会都会!大都会!」
玉ちゃん:「チェ!」

そんな冗談を言い合っていると、ヤオハンに着いた。
住宅街の中にあり、地元の人しか利用していないように思われた。
僕は餃子を作ろうと思っていたので、玉葱や挽肉、生姜を篭に入れていく。

玉ちゃん:「ねえ何作るの?」
かず:「内緒!」
玉ちゃん:「おいしいもん作ってよ」
かず:「まかせなさいって」
玉ちゃん:「あ、これもいい?」
玉ちゃんは子供のように顔を少し赤くし、うつむいてコーラのペットボトルを差し出した。
そんなかわいい玉ちゃんの行動を無にできるはずもなく、僕は少し困った顔をしてから「いいよ」と言って笑った。
玉ちゃんも嬉しそうににっこり笑った。
ああ、夢にまでみたラブラブショッピングだ〜。
ここには東京からはるか彼方の湯河原で、知り合いもいないから邪魔するやつもいない。
もう幸せ〜。

ボーッとしていると、玉ちゃんに腕を引っ張られる。
イテテ…。
玉ちゃん:「ねえねえあれってタダなの?」
玉ちゃんが指差した先には試食品コーナーがあった。
ほんとに玉ちゃんは子供だなあ。
でもそこがかわいいとこなんだけどね。
かず:「うん、まあタダといえばタダだけど、僕は食べるの抵抗あるなあ」
と僕が言い終わる前に玉ちゃんは、試食品コーナーへ飛んで行き、切ってあるオレンジにかぶりついた。
食べ物のことになると、野獣になる玉ちゃん。
でもそこがかわいかったりして…。

玉ちゃん:「ねえねえ、アイス買って〜」
かず:「ん?しかたないなあ」
玉ちゃん:「わ〜い!やった〜」
これじゃあほんとの妹と買い物してるみたいだ。
とにかく、玉ちゃんの好きなものが篭に入っているので、玉ちゃんは上機嫌。
玉ちゃんに財布を渡してレジへ行く。

玉ちゃん:「いっぱい入ってますね〜」
玉ちゃんは僕の財布のお札の枚数を数え始めた。
かず:「ま、まあね。ちゃんと働いてますから…」
しかし、これも僕が一度やってみたかったこと。
自分の財布を恋人に預けて、買い物をするということだ。
玉ちゃん信頼してるからね。

会計が終わり、荷台で買ったものをレジ袋に詰めていく。
玉ちゃん:「おつりもらっていい?」
かず:「ええ?しかたないなあ」
玉ちゃん:「う〜そ、そこまで困ってませ〜ん。でもかず君やさしいね。ありがと」
そう言って玉ちゃんは財布を返してくれた。

玉ちゃんの家には一人分のお皿しかないそうなので、僕らはお皿を買いに2階に上がった。
どの皿がいいかな?
と玉ちゃんに相談しようと振り向くと、いつの間にか玉ちゃんは買ったばかりのアイスクリームにかぶりついていた。

かず:「ええ〜!店の中で食べちゃだめだよ」
玉ちゃん:「韓国では大丈夫です」

僕は急いでお皿を買って、玉ちゃんと店を出た。

かず:「もうびっくりしちゃったよ」
玉ちゃん:「何が?」
かず:「だって、お店の中でアイス食ってるんだもん!」
玉ちゃん:「いいじゃん、韓国ではOKです」
かず:「ここは日本なんだけどね」
玉ちゃん:「あらそうでしたね」
かず:「まあ、玉ちゃんのアイス食べてる顔がかわいいからいいや」
玉ちゃん:「やっぱり?美人は何やっても許されるね」
かず:「自分で言うか普通?」
玉ちゃん:「コンジュッピョンですから」
アハハハ…。

湯河原の玉ちゃんは、なんだかのびのびとしていて、自然体だ。
僕はそんな子供のような玉ちゃんの新たな一面を発見でき、ますます嬉しくなり、ますます好きになっていった。
カクテルを作ろう! その24 XYZ
カクテルグラスを用意します。
シェーカーに氷、ラム30ml、ホワイトキュラソー15ml、レモン果汁15mlを入れてシェイクします。
カクテルグラスに注いでできあがり。

『X.Y.Z(エックス・ワイ・ジィ)』
X.Y.Zとは、アルファベットの最後のスペルを表わし、これ以上のカクテルは無いという意味。
スッキリとした大人の仕上がり。
出典:「ナツメ社 カクテル300」

次回予告
ヤオハンで買い物を済ませた僕らはいよいよ玉ちゃんの家に向かい餃子を作ることにしました。
第八話 変態彼氏