韓国編

第六話 教会にて

登場人物紹介 首都高速用語解説

前回までのあらすじ…。
居酒屋を改築した僕は、その居酒屋で働くことになりました。
泥棒に入られたり、好きだったむつみさんが自殺未遂したり…。
いろいろなことがありました。
そんな中、店長代理を任された夜に韓国からの留学生、玉ちゃんと仲良くなり好きになってしまいます。何度かデートをして義兄妹の契りをして、恋人になりますが玉ちゃんは居酒屋を辞め、韓国へ妹のお見舞いのために帰ることに…。
そして日本に戻ったら湯河原で生活することになっています。
もう会えないかもしれない?不安な日々を送る僕です。
そして僕は、玉ちゃんの住む湯河原へ行くことになり、そこでは新しい物語が始まろうとしていました。

韓国編とは?
韓国へ旅行に行ったときのお話しです。読んで字の如し…ですね。

2000年4月15日(土)

韓国の宗教の割合は、仏教とキリスト教で半分ずつだ。
玉ちゃんはプロテスタントの洗礼を受けたクリスチャン。
「少しでも長く一緒にいたい」
昨夜の電話でそんな思いがこみ上げてきた僕は、玉ちゃんの礼拝に付き添うことにした。
そんなわけで今日は早起きを強いられたのだ。
まあ、そのうちいつかは「教会で式を挙げる」なんてこともあるかも知れないし…。
今から慣れておこう!
そんなケチな考えでここまでやって来たのだ。

聖書を借りて扉を開くと、細長い椅子とテーブルが左右にいくつか並んでいる部屋に出た。ドラマなどでしか見たことの無かった光景だ。
一番前だと恥ずかしいので、前から3番目の木製の長いベンチに座った。
その隣に玉ちゃんが寄り添うように座る。
腕と腕が触れ合ってドキっとする。
ああ!神様どうか玉ちゃんとこれからも仲良くやっていけるようにお願いします。

高い天井はさすがに教会という感じがして、正面にはイエス様の像がある。
しばらくするとオルガンの神秘的な音楽が流れ、ある女性がロウソクに火を灯すと牧師さんがやってきた。
ロウソクに灯した女性が近付いてきて、週報と歌の楽譜を渡してくれる。
読んでみると礼拝の進行は、手渡された週報によって、進行するようだ。

新顔の若い僕ら2人はすぐに牧師さんの目に留まり「おや、今日はお若い方がお見えですね」と歓迎してくれた。
僕らの他には5人ほどの信者がいた。
賛美歌の曲が流れ始めると、全員立ち上がる。
初めの歌、272番「ナザレのふせやに」という曲を歌う。
玉ちゃんの澄んだ透明な歌声が、横から聞こえてくる。
僕が横目でチラリと見ると…。
か、かわいい!
その姿がまるで天使のように思えてきた。
僕が昨日から抱いていた妄想は、すごく罰当たりなことのように思えてきた。

特別の祈りが始まる。
「全能の神様。あなたはみ子イエス・キリストを世に送り、十字架の死に渡されました。
み子と共に、私たちがその従順と復活の勝利に与かる喜びを与えてください。
あなたと精霊と共にただひとりの神であり、永遠に生きて治められるみ子、主イエス・キリストによって祈ります。アーメン」

次に牧師さんが聖書を読む。
ゼカリヤ書、フィリピの信徒への手紙、マルコによる福音書。
内容はあまり分からなかった。

そしてみことばの歌、130番「よろこべや」を歌う。
牧師さんの説教があり使徒信条。
これは、式文という紙に書いてあることをみんなで唱える。

オルガンの音楽が流れるとロウソクに灯した女性が小さな箱を手にみんなのところへ回る。
僕は100円だけ献金した。
献金の額は特に決まっていないらしい。

主の祈り、祝福は起立して式文に書いてある文をみんなで唱えた。
終わりの歌は318番「勝利の声を」を歌う。
1週間の教会でのできごとなどを報告し、後奏でまたオルガンの音楽が流れる。
あの女性が、円柱形のものをロウソクの上から被せるとロウソクの炎が消えた。
礼拝というのは何かの儀式に近いもののように感じられた。
あの女性は進行係らしい。

「今日は、お若い方が2名見えています」
僕たちのことだ…。
ドキっとして僕らは立ち上がった。
玉ちゃん:「韓国ソウルで洗礼を受けた玉といいます。湯河原に住んでます」
かず:「僕は玉ちゃんの友人で東京から来ました」
遠くからわざわざ来ていることに驚いたのか、牧師さんを含めみんなが拍手してくれた。
なんだかちょっと恥ずかしい。

式が終わると牧師さんが玄関まで送ってくれた。
「また来てください」と言われ、なんだか家族よりあったかいものを感じてしまった。
外に出ると日差しが眩しく感じられ、玉ちゃんとの距離がまた一段と縮まったようにも思えた。
カクテルを作ろう! その23 アメリカンレモネード
トールグラスを用意します。
グラスに氷を入れ、カルピス10ml、レモン果汁5ml、グラスの八分目になるようにソーダを1/2と赤ワインを1/2入れます。

「ナツメ社 カクテル300」には載っていませんでした。

次回予告
教会で礼拝を済ませた僕らはヤオハンで買い物をしました。
第七話 ヤオハンでお買い物