幻想編

第二十二話 送別会

登場人物紹介 首都高速用語解説

前回までのあらすじ…。
居酒屋を改築して、その店で働くことになった僕。
私生活では泥棒に2度も入られますがその泥棒は捕まりました。!
好きだったむつみさんが自殺未遂をしてしまいました。
気になる女の子のお嬢様との恋はあっという間に終局してしまいます。
送別会の前に玉ちゃん池袋でデートをしました。

幻想編とは…?
居酒屋で働いていたときのことについて書いていきます。

2000年3月25日(土)
(前回の池袋東武デパートの続き)
模型売場の前を通ったら、特設の売場が設けられていて、店員2人います。
なんだろう?と近付くと幻のNゲージ、EF63茶色が売っているじゃありませんか。
かず:「うわ!すげ〜なんで売ってるの?」
と僕は目をキラキラ輝かせて店員に聞いてみた。
店員:「今日はイベントがありまして、前からこの日のためにとっておいたものなのです」
僕はためらわずに買った。
かず:「いや〜、これも今日玉ちゃんとここに来たからだよ〜ありがとう」
幸せな時には幸せなことが重なるんだな〜。

赤羽へ戻り、甘味処へ入り僕らはスケベな話しをした。
玉ちゃん:「やめろよ〜スケベ〜」
と一旦は止まるが、また玉ちゃんからスケベな話しが始まるのだ。


僕らは一度家に戻ることにした。
僕はずっと玉ちゃんと一緒にいて、そのまま送別会に行こうと思っていたが、玉ちゃんはいろいろ準備があるらしい。

家に戻ると携帯が鳴った。
玉ちゃんからだった。
玉ちゃん:「お願いがあるんだけど〜」
かず:「な〜に?」
玉ちゃん:「明日引越しなんだけど」
かず:「え?そうなの?」
玉ちゃん:「荷物を運んでほしいよ」
かず:「分かった。いいよ。じゃまた明日ね」

僕は玉ちゃんと会うのが今日で最後だと思っていたので、飛び上がって喜んだ。
やった〜明日も会えるぞ〜。

0時になり、よliやで玉ちゃんともう一人の韓国人キムさんの送別会が始まった。
僕は玉ちゃんとさっきまで楽しんでいたし、主役は韓国人の2人なので、裏方に徹することにした。
料理を運んだり、カクテルを作ったり…。
パントリーでグラスを洗っていると、ゲラゲラと玉ちゃんの笑い声が聞こえてくる。
盛り上がってんな〜。
俺と一緒にいる時より楽しそうだな…。
ちょっと寂しい。

しばらくして玉ちゃんがやってきた。
玉ちゃん:「手伝おうか?」
かず:「いいよ、今日は玉ちゃんが主役なんだし」
玉ちゃん:「手伝うよ〜」
かず:「俺と玉ちゃんのことがみんなにバレないようにしないと…」
でも結局は、二人で楽しく後片付け〜。

そこへ座敷から酔っぱらった大人たちがやってきた。
座敷が主役不在になったからだ。
店長:「玉!飲むぞ!」
チーフ:「玉ちゃんがいないとさびちいよ」
上野:「主役がいなくなっちゃだめだよ!」

玉ちゃんはしばらく考えてこう言った。
「みんなで写真を撮りましょう」
僕は玉ちゃんからカメラを渡され、玉ちゃんと男達それぞれのツーショット写真を撮っていく。
上野君はイケメンなので、玉ちゃんとのツーショットはお似合いだ。
ファインダーを覗きながら「いいなあ」と思った。

上野:「じゃあ次はかずさんの撮るよ」
玉ちゃん:「もう今までたくさん撮ったからいいよ」
ガビーン!
玉ちゃんと写りたかったなあ。
俺とは写りたくないのかよ!
でも店の人には僕らのことは内緒だって言ったのは僕だし、確かに今までたくさん撮ったんだけど。
胸がキュ〜っとした。それは嫉妬に近い感情だった。
こんなささいなことで嫉妬して、僕らはうまくやっていけるのだろうか?
僕の心の中は嫉妬心で膨れ上がった。
「あっそ、どうぞご勝手に!仲良くやってちょうだい!」

送別会が終わりみんなは名残惜しそうに玉ちゃんたちを離さない。
ここでまたも嫉妬心が再発。
「勝手に楽しくやってれば?」
玉ちゃんたちを車に乗せて送ろうと思っていたが、僕は一人で先に車に乗り込んだ。
玉ちゃんたちはなかなか店から出てこない。
きっとまだ楽しくやってるんだろうな。
「勝手に楽しくやってれば?」
またしても嫉妬が…。
店の人たちにかっこつけてるとも思われたくなかったので僕は半泣きしながらアクセルを踏んだ。
さよなら玉ちゃん…。
カクテルを作ろう! その16 モスコミュール
ロンググラスを用意します。
ウォッカを45ml、生ライム、ジンジャーエールをグラスの八分目まで入れます。

『モスコー・ミュール』
モスコー・ミュールは爽やかなライムの香りとジンジャー・エールの喉越しが気持ちよい美味しさ。1940年代アメリカ・スミノフ社のウォッカの宣伝により、大ブームになったといわれる。ジンジャー・エールの代わりにジンジャー・ビアでもよい。
出典:「ナツメ社 カクテル300」

次回予告
幻想編は次回で完結します。もうちょっとカクテルの紹介やりたかったな。
最終話 チョンさんの引越し