幻想編

第十二話 理解不能

登場人物紹介 首都高速用語解説

前回までのあらすじ…。
居酒屋を改築して、その店で働くことになった僕。
私生活では泥棒に2度も入られる波乱ぶり!

幻想編とは…?
居酒屋で働いていたときのことについて書いていきます。

2000年1月17日(火)
「よliや」には外国人が4人働いていて、内訳は中国人が2人、韓国人が2人だ。
中国人はS建設時代に一緒に働いていたこともあり、ほとんど忘れてしまったが、多少は中国語を喋れる。
かず:「リン・イーレン知ってる?」
陳:「知ってる知ってる知ってますよ〜」
中国の歌手について良く話が合うのだ。
日本人とはできない会話が楽しめる。
韓国人の2人とは「韓国語教えて〜」
と言って、けっこう仲良くなってきた。
やっぱり、母国語で話しかけられると嬉しいらしい。
本屋で韓国語の本を買い求め、ハングルの勉強を始めた。
最初は、さっぱりわからない記号の羅列だったが、一つ一つに役割があり、発音を暗記すると、意味は分からなくても読めるようになった。
僕が中国語で最初に覚えたのは…。
イーチィチューカンデンイェンハオプーハオ?
韓国語はオルマエヨ?
店長からは有名ソムリエの書いた本を読むように言われ、読んでたらソムリエになるのも悪くないなあと思った。
1ヶ月たってやっと従業員たちと打ち解けて来た感じ。
みんなやさしくてやりやすい。
ってみんな僕より年下かあ。
向こうが気を使ってるのかな?
常連のお客さんとも仲良くなり、今日はチップを千円いただいた。
やった〜、嬉しい!
そして、店長からレジの打ち方を教えてもらい、レジを打てるようになって嬉しい!
俺もここ数日でかなり成長したな。

玉ちゃん:「私、日本の最新の歌知りたいです」
かず:「へ〜そう、今度ダビングしてきてあげるよ」
玉ちゃん:「やった〜嬉しい!」

そして、仕事中。
玉ちゃんにこっそり、ダビングしたテープを渡した。
玉ちゃんは「ありがと〜うれしい」と小声で喜んでくれた。
僕にとっては、玉ちゃんとちょっとだけ秘密の関係になれて嬉しかった。

店長:「むつみだけどさあ」
かず:「はい」
店長:「今度結婚するって知ってた?」
かず:「え〜?」
相手は俺?
な訳ないよな〜。
ガ〜ン!ショック〜。
泥棒に入られた次はこれかよ〜。
せっかく仲良くなって、これからもっと親密になろうを思ってたのに。

噂をしていたら、みつみさんが男性とお客として来店してきた。
かず:「いらっしゃいませ〜」
むつみさんは恥ずかしそうだ。
婚約者だろうか?

でも数日後、今度は別の男性を連れて来店した。
ん〜?
結婚前に男遊びか?
どうしたんだろうむつみさん?
マリッジブルーってやつ?
むつみさんは帰り際に、アルバイトのシフト表を見て帰った。
そういえば、上野君がいる日にくるなあ。
でももしむつみさんが上野君を好きだとして…。
なんで次々に別の男を連れてくる必要があるんだ?
それに婚約者だっているのに〜理解不能だ〜。

そしてまた数日後、また別の男性を連れて来店した。
いったいどうしちゃったんだろう?
僕がお店の端っこで待機していると、酔っぱらったむつみさんが近付いてきた。
僕は「トイレですか?こちらですよ〜」
と軽く冗談を言った。
「かずさん好き…」
と言ってむつみさんが抱きついてきた。
ええ〜?どうしちゃったの?
むつみさんは僕の腕をギュッと握り締め、僕の腕が彼女の胸に吸い込まれる。
ドキドキ…。
仕事中じゃなかったら、最高に幸せなんだけどなあ。
チーフがこちらをジロリと睨む。
かず:「だ、だめだよ、今は仕事中なんだから…」
むつみさんは、少しムスっとして席に戻った。
あれは今思えば何かのサインだったのかも知れない。
数日後、彼女が自殺未遂をしたと知ったのはかなり日にちがたってからだった。
カクテルを作ろう! その6 ジンリッキー
ロンググラスを用意します。
ジンを45入れて、ソーダをグラスの八分目まで入れます。
あらかじめ6等分にして切っておいた生ライムをグラスの縁にひっかけます。
ライムの皮に3分の一程度の切れ込みを入れておくと、引っかかります。
ジン関係はライムやレモンが付くのが特徴ですね。
割と初心者にも作りやすいカクテルです。
むつみさんが結婚することを知り、超ショック〜。
そして結婚前なのに、次々と違う男と来店し、異常な行動が目に付くようになります。
むつみさんに対する思いが僕の心の中で縮んでいったのです。
玉ちゃんとは韓国語の勉強で徐々に仲良くなりつつありました。
ダビングしたテープ渡したりしてね…。

次回予告
店長が所用で途中から抜けることになり、レジ打ちを覚えた僕が店長代理を務めることになりました。
サポート役には玉ちゃんが選ばれ、楽しいな嬉しいな。
第十三話 初めての店長代理