慕情編
| 第一話 | はじめまして |
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| 登場人物紹介 | 首都高速用語解説 |
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| 慕情編までのあらずし…。 父の会社を飛び出した僕は職安でみつけた仕事を始めます。 バブル終盤の頃ですが、まだまだ人手不足ですぐに採用になりました。 首都高速のPAを回って主任の助手をやったり、料金所の清掃をしたり、免許を取得したり社会人としてそれなりの苦労を重ねてきました。 恋は小から大まで数え切れないほどしました。 2回目の3号線全止め工事が終わり、現場と事務で僕の仕事は山のようになっていました。 慕情編とは…? 僕がS建設で恋した人のことについて書かれています。 |
| 1994年12月。 もうすぐクリスマスだという時期に彼女は来た。 田苗さんが会社を辞めるので求人情報誌に募集要項が掲載され、彼女はそれに応募し今日の面接になったのだ。 ちょうど全止め工事(首都高速を1週間通行止めにして行う工事)や一般工事(PA保守以外の工事で、料金所やPAの改修工事)で忙しい時期で、写真を整理したりワープロで報告書を作成する事務員は喉から手が出るほど欲しかった。 先日、僕らは死ぬような思いをして、3号渋谷線の全止め工事を終わらせたばかりだった。 公団の理事長がおみえになったりして、かなりエキサイティングな1週間だった。 そして、公団に報告する工事用写真が山のように僕の机の上に積まれていた。 面接を終えた彼女はニッコリと笑って自己紹介をした。 かず:「はじめまして、イケダです」 オオノ:「オオノです。よろしくお願いします」 それが僕とあの人が初めて出会った瞬間だ。 その日、彼女はお辞儀を一回だけして帰って行った。 面接の最中に所長が採用を決めてしまったらしい。 だから彼女はとりあえず、仕事をせずに家に帰る。 出来る人を見抜く所長の目は以前から信用できる。 (しかし、その人がずっと働き続けてくれるかどうかは別…) 普通は何人か面接して、採用するかどうかは後日決まるのだが、彼女の場合即決だった。 本当は彼女は、世田谷の本社に勤めることを希望していたらしいが、所長の独断と偏見で雑司ヶ谷基地勤務が決まった。 運命の出会いとは良くいったものだ。 今考えても、人と人との出会いは不思議に満ち溢れ、なにがどうなるか分からない。 今度の子はショートカットで目がクリクリしていてカワイイな。 (今度の子というのは、何度も人が入れ替わっているから) 彼女もそんなに長く勤まるとは思っていなかったので、そんなことぐらいしか印象に残っていない。苦しいほど彼女を好きになるとは、この時まだ微塵も思っていなかった。 |
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| 1994年12月の出来事 | |
| 12.10 新進党結成。初代党首海部俊樹、幹事長小沢一郎。 12.21 狭山事件の石川一雄元被告が仮出獄。 12.28 三陸沖でM7.5の地震、青森県中心に死傷287人 |
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| 1994年この一年 | |
| 社会 各地で水不足。 短銃を使った事件が相次ぐ。 マラソンで女子選手が健闘。 出生率が93年1.46まで下がり過去最低に。 貴乃花が65人目の横綱に。 流行歌 innocent world 映画 シンドラーのリスト。 流行語 価格破壊。すったもんだがありました。イチロー。同情するならカネをくれ。 新・新党。就職氷河期。ヤンママ。 『出典:別冊朝日年鑑 早わかり20世紀年表 朝日新聞社』 |
| 次回予告 オオノさんは所長とうまくやっているように見えましたが…。 |
| 第二話 | 俺のせいだ… |
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