EVA外伝第四話    アスカの大失態

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6時30分ミサトの家から、あるはずのないシャワーの音が聞こえてくる。

そう入っているのはアスカである。こんな時間に起きた事など一度もないアスカであったが、今日は特別なのである。シンジに告白をしようと考えていたのだ。それに、4月といっても、セカンドインパクト後の乱れた気候では、真夏とそう変わらない暑さであり、新陳代謝が活発な思春期の子供達には朝のシャワーは欠かせないものであった。

 

(ふぁー。眠い、眠い。これ終わったらまた寝ようかなぁー、って寝ちゃ駄目じゃない!!今日こそはシンジの奴をその気にさせてやるんだから)

 

なにやらよからぬ事を考えているアスカであった。それとおなじころ、シンジも目を覚ましていた。

 

(今日からお弁当作らなきゃいけないんだった。早く用意して、母さんに気づかれないようにしないとな)

 

ユイに見つかったらまたからかわれるだろうと思ったシンジは、早めに用意をして弁当も自分のかばんの中に入れた。その頃にはレイも弁当を作り終わっており、早く昼食の時間が来ないかと7時ごろから楽しみにしていた。

 

(今日から碇君の作ったお弁当が食べられる…嬉しい)

 

今日1日レイの機嫌はすこぶるいいであろう。アスカやマナが妨害しない限りは。

 

 

   −1時間後−

 

シンジは依然と同じように、アスカと登校した。

 

「ねえシンジ、今日の放課後暇?」

「うん」

「じゃあ私の買い物につきあってくれない?」

「いいけど…僕でいいの?」

「私が良いって言ってるんだからいいの…私が好きになるくらいんだから自信持ちなさいよ

 

自分がもてている事にいまだに気づかないシンジであった。

 

「え、何?」

「な、何でもないわよ」

 

シンジをデートに誘う約束をうまく取り付けたアスカであった。これが学校だとレイ、マナに妨害される可能性が高いと言う事を踏まえて、登校中に誘ったアスカであった。意外にもなかなか策士である。

 

―1時間目開始―

 

レイはずっとシンジの方を見ながらニコニコし、アスカも似たような状況でだった。シンジは二人の視線を感じてかむずがゆい感じがしていた。それをマナが不思議そうに見ていた。こんな状況ではシンジは勉強どころではなかった。

 

     −4時間目終了−

 

「碇君、お弁当…」

「ありがとう、綾波。はい、これ」

「「何よそれ――!!!」」

 

(あちゃー。やっぱりこうなったか)

 

マナとアスカが同時に大声をあげた。それにビックリしたほかの生徒は、争いに巻き込まれないようにこそこそと端のほうに逃げていった。

 

「ア、アスカにマナも落ち着いて…」

「う・る・さ・い。あんたは黙ってて」

 

そのアスカの目を見た瞬間、シンジやその周りにいたトウジ、ケンスケも凍ってしまった。

 

「昨日、碇君と約束したの。お互いのお弁当作ろうって」

「シ・ン・ジィ〜〜なんでそんな約束したのかなぁ〜〜?」

 

アスカは優しく笑顔で言ったが、声は震えていたし、こめかみにも青筋がたっていた。

 

「ちょちょちょちょ…ちょっとね…」

「ちょっとじゃ・な・い・わ・よ。説明し・な・さ・い」

「そそそ、そんな事言ったって…」

「いいわ、碇君。私が説明するから」

「あ、ありがとう。綾波…」

 

そう言うとシンジも端のほうに逃げていった。

 

「こらシンジ、あんたもここに居・る・の」

「は、はい!」

「マナ、あんたも居なさいよ」

「えーん。シンジが裏切った〜〜」

「メソメソしてないで、ほら立ちなさい」

「うわ〜ん。シンジの馬鹿〜」

「さ、ファースト…じゃなかったレイ説明して」

「分かったわ。昨日私と碇君が一緒に家具を買いに行った帰りに、私の家によってもらった時に私の料理食べてもらって、碇君が私の食事のほうがおいしいって言ってくれて、これから私とお弁当交換しようって言ってくれた…どう?これでわかった?」

「てことはシンジから交換しようって言ったのね?」

「ええ。そうよ」

「シ・ン・ジィ〜〜〜。どういう事かなぁ〜〜?」

「ど、どういう事かって言われても…僕と綾波がお弁当交換しようと何しようとアスカには関係ないだろ!」

「関係ないとはなによ!!」

「だって本当の事だろ!」

「私は…私はシンジの事が好きなのにそんな言い方はないじゃない!!」

「え?」

「だからシンジのことが好きって言ってるでしょ!!」

「へー、惣流って碇の事が好きだったのか」

「やっぱりね」

「ふーん。意外だな」

「あ…どうしよう、こんな大事な事こんな時に言っちゃた…」

「あの、そのアスカ…」

「今返事しないで!!お願いだから…」

 

アスカは泣きそうになりながら言った。

 

「う、うん。分かった」

「もうやだ…死にたい……」

 

そう言うとアスカはとぼとぼと教室を出て行った。アスカが通る時に、端によっていた生徒が一斉に散るのを見ても、チラッと見ただけでアスカは何の反応も見せなかった。それを見た他の生徒は逆にびっくりして小さくなっていた。

 

「アスカ…」

「もてる男は辛いな。シンジ」

「何だよ、それ」

「ところでアスカにどう返事するんや?」

「う、それは…」

「まあ、どう答えるかはお前の勝手だがけどな。返事はゆっくり考えな」

「うん」

「そういや、わいらまだ昼飯食ってないで」

「そういえば、お前欲綾波と弁当なんか交換する気になったな。惣流とか霧島さんとかにばれたらああなる事くらい分かってただろ」

「う、うん。でも、その場の空気がどうも…」

「お前、流されやすいからな」

「そうかなぁ?自分の事は良くわかんないよ」

「ったく…人類補完計画が何の為にあったか良く考えろよ」

「何?その人類補完計画って?」

「ああ、委員長は知らんかったんか。でも、話すと長くなるからそれはいつか説明するわ」

「そんなに長くなるの?じゃあいつか教えてね。トウ…じゃなかった鈴原」

 

(やばい。呼び方間違えた。これじゃ皆にばれちゃう)

 

「あほ…だからそんなことしても無駄やっていったのに」

「だって、だってー」

「へぇー、もうお互い下の名前で呼ぶほど進展してたんだ。後で惣流に報告しなくちゃな」

「もうどうにでもしてくれや。わいは知らん」

「相田君。そんなことしたら怒るわよ」

「怒るもくそも今の皆聞いてたぜ?」

「あーあ。委員長ももう彼氏いるってよ」

「鈴原君って結構かっこよかったから狙ってたのに…」

「早く彼女欲しいなぁー」

 

勝手な事を言うクラスメートであった。これで今日1日の二人の運命は決まった。その日1日クラスメートからの質問攻めにあう二人であった。

その日の授業も終わり、シンジはアスカと約束していたので、アスカと共に買い物に出かけた。しかし、いつもの2人と違って会話はほとんど無かった。

 

(嫌だなぁー、気まずいなぁー)

 

シンジよりも気まずいと思っているのはアスカであった。

 

(何時もみたいに話しかけられない…なんでこんなことになっちゃたんだろう)

 

「「あの…」」

「あ、アスカから言って良いよ」

「わ、分かったわ。シンジ…返事…してくれる?」

「え、あの、その…」

「私は真剣にシンジが好きなの。シンジもちゃんと返事して」

「う、うん。分かった。僕は綾波のことが好きなんだ…だからアスカの気持ちにはこたえられない…ごめんね」

「そう…やっぱりね」

「え?」

「私だってシンジの事好きなのよ。見てればだれが好きかぐらいわかるわよ」

「そうだったんだ…」

「シンジ…目閉じて」

「何で?」

「いいから早く」

「分かった」

 

アスカはシンジにキスをすると、駆け出しって行った。

 

「アスカ…」

 

 

 

「おう、惣流。お前シンジとデートしてたんじゃないの?」

「相田…わーん」

 

そう言うと涙を目に溜めながらケンスケに抱きついた。

 

「お、おい。どうしたんだよ、惣流」

「シンジにふられちゃった…」

「なんだ、そうだったのか。元気出せよ、お前ぐらい美人ならすぐ彼氏も出来るって」

「じゃあ私と付き合って」

「え?」

「あんた、私が精神やられた時毎日お見舞いに来てくれたでしょ。あの時からあんたの事気にしてたんだ」

「そ、それは、まあ、ねぇ」

「それにあの時私にキスしたでしょ。その責任取りなさい」

「そ、そりゃ、俺は良いけどさ。お前はいいの?」

「馬鹿。何回も言わせないでよ」

「わ、分かった」

 

成り行きで付き合うことになった2人であった。しかし、この二人上手く良くのであろうか?

 

 

                 後書き

 

アスカファンの人、何度も言うようですが、申し訳ございません。なにせ、私がアヤナミストなもんで…なぜ、ケンスケとアスカをくっつけたかと言うと、ケンスケだけ彼女が居ないから、理由はそれだけです。次回はレイが風邪を引きます。ということは自動的にシンジが看病する事に…これ以上言うと内容が分かってしまうので、また次回

 

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