ヴォウジェ   (Vouge
クト・ド・ブレシェ (Couteau・de・breche
鉾槍
全長・2〜3メートル,重量・2(2.2)〜3(3.5)キログラム
ヴォウジェは、複数の機能を有した鉾槍類です。

ヴォウジェにはスイス式とフランス式の2種類があり、通常ヴォウジェと呼ばれる場合はスイス式の物を指します。
長い柄の先に刃のある穂先を持ち、切る・突く・叩く等の複数の使用法をもっています。

スイス式の物は斧頭と鋭い切先、更に鉤爪を持っています。
この鉤爪は敵を打ち倒す為ではなく、攻城戦において城壁を登る為に用いたとされています。

フランス式の物はクト・ド・ブレシェとも呼ばれています。
単純な作りの穂先を持っており、斧のような、あるいは剣のような形状をしていたとされています。
13世紀の文献にその姿を見ることが出来ますが、現在する物は14〜15世紀に作られた物だとされています。
フランス式のヴォウジェは農具が発展した物だとされています。

 

 

花が咲き、蝶が舞う…。
そんな野原におよそ似合わぬ金属音。
今日も今日とて、主と弟子の武芸の稽古。

「せぇい!!」
なんの〜♪

「でぇりゃ〜〜!!」

ほいさ〜。

「あぁ!逃げるの卑怯です!!」

バカモノ、逃げなきゃ痛いじゃないか〜!

「むぅ…。
 大体、師匠とボクじゃ使っている武器が違うんですよ!
 卑怯ですよ!!」

いんや、同じだよ〜。

「…またまたぁ。確かに柄の長い棹状の武器ですけど…。」

どっちも同じ、ヴォウジェと言う名の武器だよ〜。

「……冗談?」

あのな…こんなところで冗談ぬかしてどうするよ…。

「それじゃ…何で違うんですか?」

ふむ、実はこの武器、使われた地方で形状が違うらしくてな〜。
お前の持っているのはスイス式、自分のはフランス式なんだ〜。

「へぇ…。」

自分のは至極単純、振り回したり打ち下ろしたり…。
そうした単純な攻撃方法を取れるような形に成っている〜。

「ボクのは?」

うむ、穂先が尖っている事で、刺突攻撃にも向いているな〜。
それと…後にある鉤爪が…。

「あ!解りました!」

ほうほう〜?

「これは…こうして…。」

(ガキ♪)

はい〜?

「…相手を引っ掛けて…引きずり回す!!」

のにゅうぇぇぇ〜〜〜!!!

「せいりゃぁぁぁぁ!!!」

きょうわぁぁぁ〜〜〜〜〜……!!

「どうです!正解でしょう?
 ………あれ?師匠?」

主を鉤爪にひっかけ振り回す弟子。
勢いがついたところで…一気に放り出す…。
って!あ〜あ…主ははるか彼方、遠いお星様になりました…。
ちなみに…この鉤爪はこういう事には使わない。

「武器と防具 西洋編」 新紀元社
「武器事典」 新紀元社