ぺシュカド   (Peshcubs, Pesh・kabz)
カルド(Karud
短剣
全長・28〜36センチ,重量・0.3〜0.4キログラム
ぺシュカドは、鋭い切れ味を持った短剣です。

ぺシュカドは特徴の有る刀身をしており、S字型に湾曲しています。
鍔元でT字状に返りがあるのも特徴です。
片刃ですが切先だけは両刃、あるいは棘状に丸められていました。
また、湾曲した刀身は突き刺した際、相手の傷口をえぐる効果がありました。
柄は重めに作られ、象牙などが使用されていました。
鍔元には見事な細工が施されています。

ぺシュカドはペルシアや北部インドの短剣です。
トルコや小アジア等広い地域で用いられていました。

ぺシュカドはペルシアではカルド(Karud)とも呼ばれていたようです。

 

 

庵の裏手。畑の脇に佇む弟子1人。
一抱えはあろうかという果実を前に、なにやら思案している様子だが…。

「う〜〜〜〜〜ん…………。
 こういう感じにくりぬいて…。
 それでこっちを…あぁ!上手くいかないぃ!」

……何をやっとるんだお前は…。

「あっ師匠。」

あぁ!折角立派に実った果実をこんなにグチャグチャにくりぬいて〜!
何を考えているんだお前は〜!

「えっと…これに綺麗な文様をカットしてみたいな〜なんて…。」

…やめなさい、食材が勿体無い〜。

「うわっ!ひどい!!」

あのな…ジャガイモの皮さえ…って何を使っているかな〜!

「え?なんだか丁度良さそうなナイフですけど?」

いや、明らかに無理だから…それ…。

「そう…なんですか?」

あのな…これはぺシュカドというてな〜。
確かに鋭い切れ味が売りな短剣なんだが〜。
明らかに違うから!使う用途違うから〜!

「あははは♪」

笑って誤魔化すな〜!
そもそも、そんな細かい作業が出来るわけ無いだろう〜。

「何でです?」

何でって…この短剣は確かに鋭い刃を持ってはいるが…。
それが刀身全体って訳じゃないのだよ〜。
ほら…先端部分は棘状になっとる〜。

「…ホントだ!」

もっと早く気付け〜!
兎に角!こんな切っ先で細かい作業とか出来ないから〜。

「でも…なんでこんな切っ先に?」

恐らくは貫通する力を強めるためだろうね〜。
まぁ普通に刃に成っているモノも有るので一概には言えないが…。
ちなみに、このぺシュカド…。
振り回して切り付けるというより、突き刺して傷口をえぐるという方に機能が特化した短剣といえるかな〜。
その為、こんな変な形に湾曲している〜。
だから、コレで細かな作業なんてのは…。

「あぁ!また失敗した!」

って!人の話を聞け〜!

「あぁぁ!師匠が大きな声出すから!
 静かにしていてください!!」

サクッ♪
にょうわぁ〜〜!

主の話を完全スルーして再びカットにチャレンジしていた弟子。
思わず怒鳴りつける主の額にサックリとぺシュカドが。
普通、こういう所には刺さないのだが…。
何はともあれ、静かになってめでたしめでたし。

「武器と防具 西洋編」 新紀元社
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