ハンティング・ソード   (Hunting・sword)
ボア・スピアー・ソード (Boar・spear・sword),ボア・ソード (Boar・sword),サシュワーター (tiSauschwerter)
刀剣
全長・90〜100センチ,重量・1.4〜1.6キログラム
ハンティング・ソードは、戦闘ではなく、狩猟用に生み出された刀剣です。

ハンティング・ソードは、16世紀頃にドイツの王侯貴族の間で狩猟用に用いられました。
形状は通常の刀剣のようですが、切先が槍の矛先のようになっています。
また、先端が猪の牙のような形状をしている事から、ボア・スピアー・ソードとも呼ばれています。
柄は両手でも握れるように比較的長く作られていますが、構える時は切先を下にして逆手に握りました。
これは馬上から、獲物めがけて突き刺すためです。
獣に向けて、力任せに突き刺しますので、時には引き抜く事ができなくなる事もありました。
そういった時の為に、剣身が中間で分割できるように成っている物もありました。

ハンティング・ソードは、猟の盛んであったヨーロッパの王侯貴族にとっては無くては成らないものでした。
しかし、銃器が発達し、獲物に近付く危険を冒さなくてすむようになり、その姿を消す事と成りました。

 

 

ヤツラは何だ…何故俺を追い回す!
俺はただ何時ものようにたっぷりの飯を食らい、午後の日溜りの中でまどろんでいたというのに…。
ヤツラは俺の安息を土足で踏みにじりやがった!
いったいどれだけ走ったのだろう?流石にもう体力の限界が近い…。
うっすらと開いた口からは熱い息が絶え間なく湯気を作っている。
くそぅ!くそぅ!くそぅ!!
こんな所で終わってたまるか!
…見えた!あの木立を抜ければ…!

ガサガサガサ!!
「師匠!そっちに行きましたよ!」

おぉ〜!まかせておけ〜!
よ〜くも畑を荒らしてくれたなこのクソイノシシめ〜!
今日の晩飯にしてくれるわ〜!!

イノシシ「ブギィィ!!」

でぇぇぇぇい〜〜!!

イノシシ「ブギィィィ!!!」

へぶっ!

「あぁ!何やってるんですか!逃げられたじゃないですか!
 まったく…イノシシ退治ならこの剣だ〜!何て持ってきましたけど…。
 イノシシの名前がついているからといって、イノシシに対して絶大な威力とか有る訳じゃないんですから。
 むしろ接近しなきゃならないぶん、危険になっているんですよ?
 やっぱり飛び道具を持ってきたほうが…。
 って、師匠?聞いてます?もしもし?師匠〜!!」

イノシシに踏みつけられ、ぴくぴくと痙攣している主…。
体中に蹄のあとが…。
ボア・スピアーソードVSイノシシ…勝利の女神はイノシシに微笑んだ。
ハンティング・ソード、またの名をボア・スピアー・ソード…。
ボアとはイノシシの事らしいが…だからといってイノシシ退治に向いているわけではないのは御覧のとおり。
…そもそも、真正面から向き合って使う武器ではないし…。

「武器と防具 西洋編」 新紀元社
「武器辞典」 新紀元社