ダーク   (Dirk)
 
短剣
全長・15〜25センチ,重量・0.25〜0.4キログラム
ダークは、スコットランドのハイランダー達が愛用した短剣です。

ダークは戦闘用の短剣と言うよりも、日常生活での使用頻度のほうが高かったようです。
ハイランダー達はダークを日常的に身につけており、咄嗟の時には武器として使用していました。
刃は片刃、両刃、切先のみ両刃と成っている3種類の物が存在し刀身に波状の紋様が施されている物も有りました。
柄には動物の皮やツタの根、象牙などが使われていました。
柄頭は丸く平らで、錆を防ぐ為に黄銅で覆われている事もありました。

18世紀の終わりごろ、禁止されていたハイランダーの伝統的な衣装(キルトを身につけバグパイプを持った楽隊を想像してください)が復活した事で、ダークもまた再び日の目を見ることと成りました。
尚、このときから登場したダークには柄頭に金や銀を施されるようになりました。

 

 

庵の庭先で何やら細工物を作っている主…。
手にした短剣で起用に木を削っている。
足元には何本もの木の棒や革の袋が…何だコレは?

はっ!!
トスッ!!

「……あっ危ないじゃないですか!いきなり短剣を投げるなんて!!」

やかまし!背後から無言で覗き込んでくるお前が悪い〜!!

「いやぁ…それは…ははははは。」

…笑って誤魔化すな…。

「あはは…えっと…あっ!
 ところで師匠、この短剣かわってますね?
 鍔も何もないなんて…。」

ん?あぁこれはダークと言ってな〜。

「ダーク!?闇!?何か…あるんですか…。」

コラそこ!呪われた品物みたいな言い方するな〜。
何の変哲もない極々普通の短剣だ〜。
まぁ…何でそんな名前がついたのかまでは知らないがな〜。
これでも結構、使い勝手のある便利な短剣なんだぞ〜?
その昔、ハイランダーと呼ばれた戦士達が使っていたものでな…。

「ハイランダー…?」

あ〜…スコットランドに伝わる勇猛果敢な戦士達だ〜。
彼らのハイランダー・チャージと呼ばれる戦法はかなり恐れられていたらしいな〜。

「はぁ…。」

ふむ…どうやらいまひとつどんな連中か分かっていないようだな〜。
ほんじゃ…よいしょ…こんなんでどうだ〜?

「あっ!それってバクパイプ!?」

そっ、こうして男性用スカート(キルト)にバグパイプ〜♪
そして腰にはダークっと〜♪

「……思いっきり似合いませんね…。」

ほっとけ〜〜〜!!!
まっ、この格好もしばらくの間は禁止されていたんだけどな〜。
コレが復活した時、このダークも再び登場したわけなんだが…。

「?あれ?なんだか…こっちのダークの方が奇麗じゃないですか?」

うん、後期の物は柄頭に金や銀が施されていてな〜。
恐らく復活した時にはもう戦場や日常生活でも遣うことは無くなり、あくまでファッションの一部として装備されるようになったんじゃないかな〜?

「あっ!確かこの格好が復活したのって、ハイランダー達が戦場から姿を消した後ですもんね。」

ん〜確かそうだったね〜。

ハイランダー固有の短剣ダーク。
コレを手に在りし日の勇猛な戦士達に思いをはせる主と弟子…。
…っていいのか!?こんな終わり方で!?

「ところで…人に向けて短剣投げておいて謝罪の言葉1つ無いんですか?」
だからそれはお前が〜!

「…反省の色なしですね…。」

あっ!ちょっと待てコラ!やっ!ゴメ…。

「はぁ!!」

にょうわぁぁぁぁ〜〜!!

庵に木霊する主の断末魔…。
あぁ…やっぱコレがないとね♪

「武器と防具 西洋編」 新紀元社
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