ボロック・ナイフ   (Ballock・knife)
キドニー・ダガー (Kidney・dagger)
短剣
全長・20〜30センチ,重量・0.4〜0.5キログラム
ボロック・ナイフは、中世の騎士達に使用された男子専用の短剣です。

ボロック・ナイフのボロックとは「こう丸」を意味します。
この名の由来は、球状の鍔がそれがさながら男根のように見えたからとされています。
刀身は真っ直ぐで、突き刺すことを目的とした作りになっています。
反面、切り裂くにはあまり適さなかったようです。

ボロック・ナイフの鍔には2つのタイプがあり、1つは球状の鍔が柄と一体になった物、もう1つは円盤状の金属片を柄先端に取り付けたタイプの物です。
後者のタイプの方が古く、12〜13世紀頃に登場しています。
この突起はナイフを引き抜く際の手がかりとなり、相手の攻撃を受ける役目も持っていました。
ですが、後期になると象徴的な意味合いを強く持つ様に成りました。

時代が下るとボロック・ナイフはキドニー・ダガーと呼ばれるようになります。
キドニー・ダガーのキドニーとは「親切に」という意味があります。
これは戦場において、瀕死の重症をおった敵や味方を、速やかに楽にしてやる為に用いられた為つけられた名称とされています。
後には相手を傷つける為には使用されず、有る意味儀礼的な役割を持つように成ります。

 

 

ひとえに短剣類と言っても、其処には様々なタイプのものがある。
明らかに用法の違うものもあれば、用法は同じでも形に特徴のある物も…。

「……師匠…。」
なんだ〜?

「この短剣…なんですか?」

あっ!こら!お前がその短剣を使っちゃダメだぞ〜!

「は?何でですか?」

これはボロック・ナイフと言ってな〜、男性専用の短剣なんだよ〜。

「男女差別ですか!?」

ん〜……ある意味そうなんだろうな〜。

「うわっ!認めた!」

いや、今はそんな事言ったら張り倒されるし、男性より強い女性もいっぱい居るしな〜。
ただ、当時はやっぱそういうの、男は男、女は女で役割分担がハッキリししていたしな〜。

「道具にまで差別が出るなんて…変です!」

そうは言うがな〜。

「ボクは断固として闘いますよ!」

いや、闘うのは勝手だけどさ〜、このナイフは戦場でしか使わないんだよね〜。

「戦闘用のナイフだからでしょ?」

そうだけどさ〜、よ〜く考えてみてくれ…。
戦場に行くのは大抵が騎士とかになるよな〜?
そうすると騎士になるのは基本的に男な訳だよ〜。

「それがどうしたんですか?」

あのな…行かないだろ?女性陣は戦場へ〜?というか騎士にならないだろう〜?

「…あ…。」

要するに女性が子のナイフを使う機会ってのは、まず無いわけだ〜。
それで男性専用というのも…何だかね〜。(笑)

およそ女性が赴かないであろう戦場でのみ使われた短剣。
そりゃ、問答無用で男性専用になるわな。
しかも騎士達に愛用され、一般の市民は広まらなかったようだし。
余計に女性の手からは遠くなっているような…。
それで男性専用も何も…ねぇ?

「武器と防具 西洋編」 新紀元社
「武器辞典」 新紀元社