デュラハン   (Dullahan)
 
精霊・妖精
アイルランドやノルウェーで、死を予告しに現れる亡霊のような姿をした妖精です。
デュラハンは、コシュタ・バワー(Coite−bodhar)と呼ばれる首の無い馬の引く、棺を運ぶ馬車、あるいは戦車に乗り現れます。
たとえ相手がどんな家の者でも関係なく訪れ死を予告します。
デュラハン自体にも頭がないか、頭を小脇に抱えて居るとも言われています。
その姿は悪魔や亡霊のようで、口が耳まで裂けてるとされています。
また、多くは首無しの騎士の姿をしていると言われていますが、実際の伝承では女性の姿をしています。

デュラハンは真夜中に車輪の音をたてながら町中を疾走するため、何とも人目をひきそうな感じですが、デュラハンは姿を人に見られるのを嫌っています。
もしも、覗き見しようとする者が有れば、その手に持った鞭で覗き見しようとする者の目を打ちます。
たとえどんなに離れていても、その鞭は必ず届くとされています。
そうして、走り回った後、目的の家の前に止まります。
もし、その家の者がこの時に戸を開けた場合、その者はバケツ1杯分の血を顔に浴びせかけられます。
万が一にも郊外でデュラハンの馬車に出会ったのなら、川に架かる橋を渡って逃げると良いとされています。
デュラハンの馬車コシュタ・バワーは流れる水の上を渡れないので、デュラハンは橋の手前で引き返して行くそうです。

前述したように、デュラハンは元は女性の精霊でした。
しかし今日では、自らの首を小脇に抱えた騎士が、首の無い馬に引かれた馬車の御者台に乗り、皆が寝静まった真夜中の街を疾走する…、そんな姿が一般的に広まっています。
騎士は1件の家の前で馬車をとめ、その家の家族の1人を指さし死を予告し去っていきますが。
その1年後、再び現れ予告した者の命を奪っていきます。
もし、この死の予告から逃れたいのなら、デュラハンが訪れた2回、最初の予告をしに来た時か、予言を実行しに訪れた時に追い払うなり、倒さなくてはなりません。

 

 

深き森の中を音を立てて疾走する馬車の音…。
やがて一件の家の前で止まる……。

(コンコンコン)
ん?こんな時間に誰だろう…ちょっと見てきてくれないか〜?
「は〜い、どなたですか?」
デュラハン「……其奴の、…」
「!!きゃ〜!?」(ヒュッ)
デュラハン「ぐふぁ!?」(どむっ♪)(どぐぅあ♪)
……お〜い、何か今凄い音がしたんだが…?
「あっ、師匠!お化けです!お化けです!お化けですぅ!!!」(泣)
……少し落ち着け……で?そのお化けは〜?
「…あれ?さっきまで、そこの木の幹にのめり込んでいたんですけど…。」
…殴ったんだな…しかも相当な勢いで……。
「…だって〜〜!!」(涙目)

森の中をヨロヨロと進むデュラハン…、
あの家には2度と近づくまいと心に決めるのであった…。

「幻想世界の住人達」 新紀元社
「妖精」 新紀元社
「モンスター・コレクション 改訂版(中)」 富士見文庫